
ごみの不法投棄や河川の氾濫、農耕地でのプラスチックの利用、建築土木工事等で利用された資材の劣化や摩耗などに起因して、マイクロプラスチック(MPs)(図1)が地圏環境中へ流出していることが報告されています。また、MPsがさらに粉砕されることでナノプラスチック(NPs)は生成されるため、MPsと同様にNPsも地圏環境中に流出していると考えられています。近年では地下水へのMPsの混入も報告され始めており、MPsやNPsは重金属類やPFAS等の汚染物質を吸着することも報告されています。そのため、土壌や地下水を通じたMPsやNPsの摂取によるヒトへの健康影響が懸念されており、リスク管理の観点から地圏環境中のMPsやNPsの分布や移動現象を明らかにする必要があります。
我々は土壌のMPsやNPs含有量の新規測定手法の開発や、環境中での分布状況の調査、地圏環境中での移動現象の解明、MPsやNPsへの汚染物質への吸着性の評価を目指して研究開発を行っています。関連成果は国際会議や国内会議、国際誌等で公表、発信を行い、MPsやNPsのヒトへの健康リスク評価に貢献できるよう、さらなる研究展開を目指しています。

ポリエチレン

ポリウレタン

ポリエチレン・ポリプロピレン混合物

論文
- Tsuchida, K., Imoto, Y., Saito, T., Hara, J., Kawabe, Y., 2024. A novel and simple method for measuring nano/microplastic concentrations in soil using UV-Vis spectroscopy with optimal wavelength selection. Ecotoxicol. Environ. Saf. 280, 116366, 116366. https://doi.org/10.1016/j.ecoenv.2024.116366.
- Tsuchida, K., Imoto, Y., Saito, T., Hara, J., Kawabe, Y., 2025. Effect of solution pH on nanoplastic adsorption onto soil particle surface and the aggregation of soil particles. Sci. Total Environ.